図説トレーラーバック

※このコンテンツは2000年ごろに作成され,旧ホームページに掲載されていたものです.

トレーラーのバックは、結構難しいんです。ハンドルを逆に切ったりしなきゃいけないからです。やったことない人、自分の乗用車の後ろにリアカーかなにかをくっつけた状態を想像してみてください。それで、バックしてみてください。ね、難しいでしょ.

ここでは基本的な「右バック」について解説を試みます。理解できた方、素質ありです。体験してみたい場合は、運転免許試験場に行ってみましょう。4000円ぐらいで試験が受けられます。受からなくても、面白いですよ。

図の左上から右下位置にバックします。青い部分は障害物です。前輪はわかりやすいように(というかミニカーなのでステアリングが切れないので)ピンク色であらわしてあります。

まず、はじめの位置の前輪を注目してください。ハンドルを左に切っていますね。普通の車は右にバックするときは右にハンドルを切ります。逆です。でも全部が全部逆でもないのです。あとから右にハンドルを切ります。注目すべきはトラクター(前の車)の後輪の動きです。

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はじめの停める位置ですが、右に寄せすぎないでください。下の図にありますが、最初に頭を右にずらすスペースが必要だからです。また、右に寄せられない事を考慮し、少し前よりに停めるのもコツです。そうしておかないと、あとで内側に寄せられないからです。

まずはトレーラー(後ろの車)のお尻を行きたい右側に向けます。前後の車を折りたたむようなイメージです。トレーラーを1台の車として見てください。この時、前輪にあたるのはトラクターの後輪ですね。はい、このトラクターの後輪の向きに注目。右に向いていますね。トレーラー側だけ見れば、普通の車のバックと同じです。つまりはじめにハンドルを左に切ったのは、トラクターの後輪を右に向けるためだったのです。

試しにはじめにハンドルを右に切ってさがるイメージをしてみてください。はい、逆に行っちゃいましたね。

実際は、道幅や入る先の幅、トレーラー、トラクターの長さなどによって異なりますが、このあたりでハンドルを戻してみます。トラクターがまっすぐさがれば、前後の車はどんどん折れていきます。適当なところで今度はハンドルを右に切り直します。折れすぎてしまうと戻せなくなっちゃうからです。

ちなみにトレーラーが長ければ長いほど、前の車の動きに対する反応が鈍くなります。だから、けっこう折れすぎても修正できます。トレーラーが短いと、反応が敏感になります。ハンドルを戻し遅れて30cmさがると、もう修正できないなんてこともあります。試験場の車は凄く短いので難しいです。前に出て修正すればいいのですが、試験の時は前に出ると減点です。一発でバックできた方がいいのです。

では長い方がいいじゃないかと思われるかもしれませんが、普通の車と同様、長ければ長いほど、狭いところには入りにくいんです。

もう一点、重要な注意を。トレーラーが長いと、90度ぐらいまで折っても充分修正できます。ただし、実車時(荷物を積んでるとき)の折りすぎには気を付けましょう。トレーラー側が単軸なら問題ありませんが、2軸以上(よこから見たときトレーラーにタイヤが2つ以上あるやつ)の場合は注意が必要です。なぜなら、急な角度で折れている状態では、トレーラーのどちらかの軸のタイヤが真横に進まなければいけないからです。タイヤは横には回れないので、無理な力がかかります。最悪タイヤがはずれることもあります。注意しましょう。ちなみにこれは前進しているときも同じです。さらに前進時、90度以上折れるとトラクターは前進しているのに、トレーラーは後退するという奇妙な現象が起きます。Uターンの時などに、後続の車にぶつけてしまわぬように気を付けてください。

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さて、トラクターとトレーラーが程良い折れ具合になったら、その角度を維持するようにハンドルを右に切りましょう。左の図程度の切れ角で、折れ角を維持したまま下がることが可能です。

3この際、注意しなければいけないのは、左後方の安全確認です。図の位置からそのまま下がると、トラクター先端が左に大きくふくらみます。道幅が充分でも、普通乗用車のドライバーや歩行者などは、トレーラーがどのような動きでバックするか理解している人はほぼ皆無です。もし、車や人が来ていたら、この位置で止まってやり過ごしましょう.

また、もちろん道幅が狭いときも注意してください。どうしてもバックの時は右後方とトレーラーの角度に気を取られがちです。後ろばっかり見ていたら前をぶつけたなんてこともあるので気を付けましょう。

また、この時トレーラーが平ボデーで空車である場合以外はトレーラーに遮られてトラクター後方が死角になります。左側ミラーもトレーラーの肩がせり出してくるので見にくくなります。必要なら、必ず降りて確認に行きましょう。

ある程度まで来たら、折れたトラクターとトレーラーを戻します。戻すときのハンドルの切り方は普通の車の逆です。今まで右に切っていたハンドルを、普通はまっすぐにしてあげればいいのですが、トレーラーではさらに大きく右に切ります。そうするとトラクターがトレーラーに対してまっすぐになってくるのです。イメージできましたか?

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トラクターとトレーラーが一直線になったら、こんどは一気にハンドルをまっすぐに戻します。あとはそのまままっすぐ下がればいいわけです。ただ、直線バック(の微調整)が実は一番難しかったりします。機会があれば改めて解説します。

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この時のコツは、トレーラーが完全に目標の角度(壁と平行とかラインに沿ってとか)になりきる前にトラクターを戻しはじめるということです。左の図のトレーラーも、わずかに壁に平行になる前ですね。

トレーラーが壁と平行になってから戻そうとすると、行き過ぎて逆に向いてしまいます。その後ろに修正できるスペースが充分にあっても、修正する方が難しいので、丁度良い戻しタイミングをつかむようにしたほうが楽でしょう。

また、修正するときはどうしても左バックの形になるので、大変です。左バックがなぜ大変かは下の方で解説しています.

イメージできたでしょうか?これで基本的な右バックの解説はおわりです。大事なことはあわてないことです。ハンドルどっちに切っていいのかわからなくなると思いますが、そういう時はパニックにならずに止まって考えましょう。また、わからなくなっちゃったときは、収集がつかなくなる前に、一度はじめの位置まで戻ってやり直すといいでしょう。

実のところ僕もそんなにうまくバックできません。ただ、理屈はこうです。上から見ているのと、運転席で体験するのはまただいぶ違います。一番大事なのは「慣れ」です。

左右のバックの違い ~なぜ難しい?左バック~

ここでは、左バックがなぜ難しいのかを解説します。まずは基本的な右バックから見てみましょう。

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図の青い部分はミラーで確認できるところ、赤い部分は窓から顔を出すなどすれば目視で確認できる部分です。白いところは死角です。

さて、日本は左側通行なので、たいていの車は右ハンドルです。トラックは99%右ハンドルです。ということは左後方が見えません。乗用車と違い、荷物があるので、後ろの窓からは何も見えない場合が多いです。

バックの時、進みたいのは後ろです(あたりまえだけど)。つまり一番見たいのは、トレーラーの最後端部分と、それからトレーラーの場合重要なのがトラクターとトレーラーのなす角度です。

図を見てください。みたい場所(トレーラーの後端部と角度)が運転席からはっきり見えます。さがって行く先は、運転席のある、トラクター先端部が、右に大きく出るため、普通乗用車や、大型トラックよりもよく見ることができます。

ちなみに左ハンドル車では逆になるので右バックが難しくなります。滅多に見ませんが。
次に問題の左バックです。図を見てください。一番必要な情報、つまりトレーラー後端部が完全に死角の中に入っています。この状態では、さがっていく先に何があるのか、全く見えません。

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また、トラクターとトレーラーのなす角度も、左ミラーからのわずかな情報しか得られません。直接トレーラーを目視する場合と違い、相当な経験と勘がないと、今どれぐらい折れているのかがわかりません。

最近はトレーラー後端にカメラがついている車両もありますが、それでも角度がわかりにくいため、上手にさがるのは難しいです。

死角の多い左バックは、難しいだけでなく、危険も増大します。自信があっても無理をせず、降りて確認したり、誰かに誘導を頼むようにしましょう。ただし、トレーラーの動きをあまり理解していない人の誘導は、かえって危険を伴うこともあるので注意してください。免許を持っていない人も、誘導の機会があるひとは、このページで勉強してください。

最後に一番簡単な解決策は、左バックしない事です。なるべく入りたい場所を右に見て進入するようにしましょう。一方通行などで、やむを得ない時もありますが、そうでないときは、多少遠回りをしても右バックで入れるように目的地に向かう方が、結果的には安全だしだいたい早いです。

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